また買ってしまった… Technicsのリニアトラッキング機

また買ってしまった… Technicsのリニアトラッキング機

以前あくまでサブ機のつもりで買ったテクニクスのSL-5。ダイレクトドライブ+リニアトラッキングのジャケットサイズ機です。
T4Pだからカートリッジの選択肢が限られていることもあり、そんなに使わないかな、と思ってましたが、これが便利で…。ただレコードを聴くだけなら、もうほぼSL-5になっていました。
ところがLPの3曲目が聴きたい、ということが出来ないのです。私の場合シングル(EP)が多いのでそれほど頻繁ではないのですがたまに不便を感じてました。
というわけで買ってしまいました。SL-6。
ちなみにテクニクス製リニアトラッキングのジャケットサイズ機は以下の通りのラインナップ。

   ドライブ  クォーツロック  選曲
SL-3   ベルト      ×         ×
SL-5   ダイレクト    ×         ×
SL-6   ダイレクト    ×         〇
SL-7   ダイレクト    〇         ×
SL-10 ダイレクト    〇         ×
SL-15 ダイレクト    〇         

SL-7とSL-10の違いはデザインくらいでしょうか。あとSL-10はカートリッジがMCが標準です。MoMAのパーマネントコレクションにもなるほど美しいですしね。
ただクォーツ機はこの機構が壊れるとどうにもならないので、なるべく非クオーツロック機を選びがちです。

さて、今回買った(ヤフオク!だけど)SL-6は稼働品だが回転が遅いとのこと。SL-5の時も回転はズレてましたが調整可能だったのでSL-6も大丈夫と踏んで入札。
3600円で落札できました。
こんなに安くていいの?

届いたSL-6は程度は中程度。ことさら美品というわけではないですが、使うのが嫌になるほど悪くはないです。このあたりのプレーヤーは高級機でもマニア機でもないので使い倒されているのも少なくないんですよね。

同梱されていたのはACケーブルとピンケーブルのみ。じつはこのシリーズはアース端子が特殊なんです。本来は専用ケーブルが付属しているのですが、現在は入手困難です。
SL-5のときも付属してませんでした。アースなしでも聴けるのですがハムノイズが凄くて聴けたものじゃありません。前オーナーさんはノイズを我慢して使っていたか、あきらめて手放したか。ではどうするか。ググると出てくるのですが、このアース線は自作可能です。
本体のアースジャックを見ていただけば分かりますが、じつはただの棒状のプラグを差し込むだけなのです。バラ線を突っ込んでテープで固定してももしかしたら大丈夫かもしれませんが、じつはこのジャック径、ピンケーブルのセンターピンがぴったりなのです。というわけで100均で買ってきたピンケーブルを壊して、センターのみを残したものにケーブルをはんだ付して自作しました。


さっそくケーブルを繋いでレコードを置いてスタートしてみます。
カートリッジは移動するのですがターンテーブルは回転しません。「はずれか」とあせったのですがカートリッジがスタートポジションに付くとおもむろに回転し始めました。ほっ。
この辺の挙動はSL-5と違うのですね。無事音出し確認。
さて肝心の回転数ですが、ストロボスコープで確かめると確かに遅いです。
じつは底面にコアドライバーを突っ込んで調整できます。

裏ブタを開けるとこんな基板で、上記2か所で調整できます。裏ブタを閉じると

この穴で調整できます。でもなんで裏なんだろう。回転させながら調整するのがすごく難しい。なんとかがんばって、サービスマニュアルには45回転から合わせろと書いてあるので言われたとおり調整します。
これでばっちり。

音はクオーツロック機(テクニクスのクォーツロック機はSL-1200MK2しか持ってませんが)に比べると、カチっとはしてませんが適度な緩さが心地よいです。
リニアトラッキングは構造的にトラッキングエラーがほとんど存在しません(ゼロではない)。その安心感は一般的なプレーヤーにはないものです。
また今回SL-6を買うきっかけになった選曲機能ですが、カセットのように「次の曲」というのではなく、事前にプログラムして置くタイプです。
つまり最初に5曲目、次に4曲目と聴きたい場合は、レコードをセットして、「5」のボタンを押して、次に「4」を押して「スタート」を押すと、5曲目を演奏したのち4曲目を演奏します。実際にやってみると5曲目は少しアタマが切れて6曲目をちょっと演奏したのち4曲目を演奏(こちらも少しアタマが切れます)しました。


つまりセンサーはちゃんと動作してますが、針が落ちる位置がちょっとズレてるみたい。この辺も調整が必要そうですが、それはまた今度。
とりあえずいろいろ動作するのが分かっただけでも良かったです。
良い買い物でした。

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1件のコメント

うちにはSL-10が2台とSL-7、SL-QL1のテクニクスリニアトラッキング機がありますが、クオーツロック部分は壊れないですよ。壊れるのならサーボも同じかな。QL1が一度暴走したことがありますが、これは制御部の電解コンデンサーのパンクが原因でした。

ところで、SL-5、6は出力がRCAなんですね。SL-7とQL1はケーブル直だしなので、いずれもリケーブルしてます。頭出しはSL-J22Rで試しましたが、センサーがカートリッジの横にあるので、その分のずれを調節する必要があるんですが、精度は機構上あまりよくありません。それに比べればSONYのPS-FL99は天板側にセンサーがあって、ターンテーブルを収納するときに曲間をチェックするので、片面に何曲あるのかも表示されます。うまくいけばですが(笑)。LibertyCD V1のジャンクを買ったときにセットでした(というより、プレーヤーを買うのに、セットで買ったというべきか)。

NeoVol4今後も楽しい記事を読ませていただきました。創刊から全巻買っております(笑)。今後も楽しい記事をお願いいたします。

山本 清一郎

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